「引き寄せの法則」をご存知でしょうか。
シンプルに言えば、人は自分の思考や信念に引き寄せられた現実を生きる、という考え方です。
つまり、ポジティブなことを考えていれば良いことが起こり、ネガティブなことを考えていれば悪いことが起こる、というわけです。
しかし、この法則には誤解や危険性も潜んでいます。
本記事では、引き寄せの法則の背景や広まった経緯を解説しつつ、その誤解や危険性について詳しく見ていきます。
引き寄せの法則の危険性
引き寄せの法則を万能なツールだと思う人が多く居ます。
しかし、引き寄せの法則を万能化するあまり、本来と誤った解釈で引き寄せの法則を行う人が多く居ます。
誤った状態で引き寄せの法則を実践すると、以下のような危険性があります。
1. 現実逃避や責任転嫁を助長
引き寄せの法則を盲目的に信じると、現実から目を背けて逃避したり、自分の責任を放棄したりしがちになります。
「引き寄せの法則でどうにかなる」と考えるあまり、自分の人生を切り拓くための行動を怠ってしまう危険性があるのです。
回転寿司を例に例えると、回転寿司の内容を良くするためにオーダーするのが引き寄せの法則です。
しかし、回転寿司はお皿を取らない限り、目的のネタを食べることが出来ません。
行動しないということは、このお皿を取らないことなのです。
引き寄せの法則に頼りすぎると、本来引き寄せているはずのものを手に取らないため、中々引き寄せが叶わないということになります。
2. 選民思想や他者を排除する思考になる
引き寄せの法則を極端に解釈すると「引き寄せが上手くいく自分は特別な存在だ」といった選民思想に陥る恐れがあります。
特に自愛のテクニックを見ていくと、自分を愛することと自己中心的な振る舞いをすることが、取り違えられているように感じます。
自分さえよければいいという利己的な考え方は、周囲との軋轢を生むだけでなく、本来引き寄せるはずだった良いご縁も遠ざけてしまっています。
また、こういった利己的な考えを持つ方には、同じく利己的な考えを持った人たちが引き寄せられます。
「自分さえ良ければ良い」「自分は選ばれた人間だ」「貧しくなるものは貧しくなる行動を取ってきたからだ」「愛されないのは愛されようと努力しないからだ」といった具合の人が集まります。
利用し合うだけの人間関係が構築されるよう引き寄せているだけなので、それが嫌であれば考えを改めたほうが良いかと思います。
(利用し合う関係でも良ければ止めはしませんが)
3. 引き寄せが上手くいかないと期待が裏切られて失望感や罪悪感に繋がる
引き寄せの法則に熱心に取り組んでも、思うような結果が出ないことはよくあります。
特に、潜在意識にある価値観が古くからあると、それが思考や行動を続けてきているわけですから、ひっくり返すのもそれだけ大変になります。
潜在意識の価値観は、木の年輪のように、思考や行動を重ねていくと、どんどんと幹が太くなっていくと想像してもらえれば、分かりやすいかと思います。
引き寄せが上手くいかないと「自分の能力が足りないせいだ」と自分を責めたり「引き寄せの法則は嘘だ」と失望したりしてしまうかもしれません。
しかし、人生のあらゆることがうまくいくわけではありません。
そして、思い通りの方向から上手くいくことは無いのです。
思い通りということは、いままで生きてきた中での思考や行動から導き出された答えでしかありません。
潜在意識から引き寄せの法則が働く時、引き寄せる内容は思ってもみないところからのことがほとんどです。
でも、結果的に願い通りになっているので、それでよかったりします。
特にすぐに結果がほしいことに限って、引き寄せの法則を過信してしまうことも。
すぐに引き寄せの結果が出ずに、現実と期待のギャップに苦しむことのないようにしましょう。
というのも、引き寄せの法則が上手くいかなくて否定し始めると、引き寄せの法則が嘘であるという価値観を、潜在意識に植え付けることになります。
そうなると中々叶わない状態に自分自身で追い込むことになるので、それだけは止めておきましょう。
上手くいかない時は、柔軟に対応を変えていく姿勢も必要です。
引き寄せの法則を正しく活用する
引き寄せの法則は、私たちの人生に大きな影響を与える強力なツールです。
しかし、その力を最大限に活用するためには、正しい理解と適切な実践が不可欠です。
ここでは、引き寄せの法則を効果的に活用するための4つのポイントを詳しく紹介します。
1. 瞑想を取り入れる
瞑想は、引き寄せの法則を活用する上で非常に重要な役割を果たします。
瞑想を通じて、私たちは自分の内面と向き合い、雑念を少しずつ減らしていくことで、心の深い部分、潜在意識にアクセスすることができます。
潜在意識は、引き寄せの法則の基盤とも言える部分です。
瞑想には様々な方法がありますが、最も基本的な方法でOKです。
静かな場所で座り、呼吸に意識を向けることです。
雑念が浮かんできたら、それを判断せずに観察し、再び呼吸に意識を戻します。
これを繰り返すことで、心が落ち着き、潜在意識との対話がスムーズになります。
(瞑想の詳しい方法については以下の記事を参照してください)
他にも、瞑想は習慣化することで、ストレス軽減、集中力の向上、感情のコントロールなど、様々な効果が期待できます。
引き寄せの法則を活用する上でも、瞑想は欠かせないツールと言えるでしょう。
2. 自己中心的な行動ではなく自愛を行う
自愛を実践するためには、自分の感情や欲求に正直になることが大切です。
自分の気持ちを抑圧せず、適切な方法で表現することが、自愛の第一歩と言えるでしょう。
ただし、自愛とは、自分を大切にすることであり、自己中心的な行動とは異なります。
また、自分の長所だけでなく、短所を受け入れることも自愛につながります。
完璧主義に陥らず、ありのままの自分を愛することが、引き寄せの法則を正しく活用する上で重要なのです。
3. ネガティブな自分も受け入れる
引き寄せの法則を実践する上で、ポジティブ思考は欠かせません。
しかし、ネガティブな感情を完全に排除しようとするのは、かえって逆効果です。
巷で良く言われるポジティブ思考は、ポジティブでネガティブを覆い隠すやり方です。
しかし、これは根本の部分を変化させずに突き進むため、ネガティブな感情を膨れ上がらせることに繋がります。
ですので、この方法はおすすめしません。
そもそも、私たちは誰しも、ネガティブな感情を抱くことがあります。
怒り、悲しみ、不安、嫉妬など、様々な感情が心の中に生まれるのは自然なことです。
大切なのは、そうした感情を抑圧するのではなく、受け入れることです。
ネガティブな感情を観察し、それが生まれた原因を探ることで、自分自身への理解が深まります。
そして、その感情を受け入れて手放すことができれば、心の中に余裕が生まれます。
このとき湧き上がる肯定的な気持ちこそ、本来の意味でのポジティブな感情です。
4. 感謝の気持ちを持つ
感謝の気持ちは、引き寄せの法則を活用する上で非常に重要です。
感謝することで、私たちは現在の自分の状況を肯定的に捉えることができます。
感謝の対象は、身近なものから始めましょう。
家族、友人、仕事、健康、自然など、私たちの周りには感謝すべきものが本来はたくさんあります。
ネガティブな気持ちであればあるほど、普段から周りにある当たり前でも、ありがたい人やモノ、状況などは、見えなくなったり、蔑ろになったりしがちです。
それらに意識を向け、心から感謝の気持ちを送ることで、ポジティブなエネルギーが生まれます。
また、困難な状況に直面した時も、感謝の気持ちを忘れないことが大切です。
試練は、私たちを成長させるためのプレゼントとも言えます。
困難を乗り越えた自分に感謝することで、さらなる成長へのステップとなるでしょう。
まとめ
引き寄せの法則は実在するものの、決して万能ではありません。
むしろ、盲信すればするほど、変な方向に捉えてしまって、その結果様々な危険性をはらんでいます。
しかし、だからと言って全面的に否定するのもバランスを欠いた見方と言えるでしょう。
大切なのは、引き寄せの法則を絶対視するのではなく、正しく理解した上で、自分なりの活用法を編み出すことです。
そうすれば、きっと引き寄せの法則も味方につけられるはずです。
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